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クライマーズ・ハイ

★★★★
横山 秀夫
価格
心に深く突き刺さる小説
決して「面白い」という賛辞が似合う小説ではない。深く胸に突き刺さり、それがなかなか抜けない。そういう感銘を受けた。1985年に起こった日航機墜落事件。520名もの犠牲を出した大惨事である。それを報道...
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1985年に起きた御巣鷹山の日航機墜落事故を追った記者達の物語。単独航空機としては世界最大となる事故を目の当たりにした地元新聞社の混乱ぶりは凄まじい。特にNHKニュース速報、続けて共同通信ニュースが入った時の描写は何とも言えない臨場感。鳥肌が立ちました。

ただ、全体的に重くて暗くて、さらにマゾいので、読み終わっても何かスッキリしない。主人公の性格、職場の人間関係、父子の関係などが屈折しまくっているからかな。この辺が自分には微妙に馴染めなかった。映画版がどんな感じに描かれてるかが気になるところ。せっかくだし見に行こうかな。

それと何か2005年にNHKでドラマ化されてたみたい。こっちも要チェックかな。

(「BOOK」データベースより)
1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。衝立岩登攀を予定していた地元紙の遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。一方、共に登る予定だった同僚は病院に搬送されていた。組織の相剋、親子の葛藤、同僚の謎めいた言葉、報道とは―。あらゆる場面で己を試され篩に掛けられる、著者渾身の傑作長編。


主人公は群馬県を本拠地とする北関東新聞の記者、悠木。年齢は40歳。普通ならデスクに昇格して当たり前の年齢だが、部下を持たずに一人遊軍記者を通しており、若手記者からは羨望の的となっていた。過去、入社直後の新米記者を一喝した直後、その記者が交通事故死したということがあり、会社は悠木の責任を問わなかったが、悠木自らが部下を持たない独り遊軍を希望しての人事だ。

昭和60年8月12日、夜7時。北関東新聞編集局の大部屋に日航機墜落の第一報が入る。乗客乗員524人。単独航空機としては世界最大の事故が、長野・群馬県境で起きたという。局内が騒然とする中、粕谷編集局長は悠木を全権デスクに任命。

黒板に”日航全権−悠木”の文字が書かれる。ただ、どうやら悠木にとっては微妙なことらしい。記者は現場に出てなんぼであって、デスクとして大部屋に残るなんてのはあまり嬉しくないらしい。これが記者魂か?全権デスクなんて栄誉だと思うんだけどね。よく分からん。

墜落地点はどこなのか? それは群馬を本拠とする地方新聞である北関東新聞にとっては重大要素だった。もし墜落地点が群馬なら北関東新聞は全力をあげて取材しなければならない。群馬ではないことを祈っていた悠木だったが、翌朝、墜落地点が群馬であることが判明する。群馬県御須鷹山。昨夜からいくつもの候補地があがっては消えていったが、御須鷹山は全くのノーマークだった。

これまで群馬最大ニュースと言われてきた大久保事件、連合赤軍事件(大久保連赤)をも凌駕する航空機事故が群馬で起きた。この大久保連赤を取材したことを過去の栄光としてきた悠木や悠木よりも年配の社員にとっては微妙なことでもあった。しかし、悠木は全権デスクの職務を全うすべく帆走する。

群馬に落ちたとなると意地でも北関東新聞の記者を墜落現場に送り込み、その記者の書いた現場雑感を載せたい。現場雑感とはそれほど重要な記事らしい。入山した12名の記者のうち、果たして誰かが現場にたどり着けるのか? 悠木の祈りが通じたのかテレビの現場中継に北関東新聞の記者、佐山と神沢が映っていた。

やっとの思いで現場雑感を届けた佐山と神沢だったが、若手記者の活躍を妬んだ等々力社会部長の謀略で、その現場雑感は掲載されなかった。輪転機の故障を悠木に隠した等々力のせいだが、佐山と神沢は悠木を恨む。悠木も言い訳をしないのが少しもどかしい。つーか、等々力サイテーすぎる。社会部長という役職につきながら、会社の業績よりも個人の意地を優先させてしまう男。なんて陰湿で器の狭い男なんだろう。

つーか、この後、佐山は悠木の勧めで二度目の現場雑感を書いたのだが、今度は社会部次長の追村がこの記事を1面トップから外してしまう。佐山の雑感には自衛隊員が登場する。自衛隊嫌いの追村がこれを理由に難癖をつけた形だが、結局は等々力と同じで大久保連赤以上のニュースで若手が活躍するが気に入らないんだろう。ヒドイ話だ。しかし、佐山は腐らない。もちろん悠木を恨むが、それでも最後までやり通した。エライ。

その後も何かいろんなことが立て続けに起こる。それも悠木に都合の悪い方向へと。もう普通なら投げ出すだろう。これは本当にマゾい。。。

ここまでは書かなかったが、悠木はさらに重い話を抱えていた。同僚の安西がクモ膜下出血で倒れて植物状態になってしまう。無類の酒好きの安西が深夜の繁華街で発見された時に酒を呑んでなかったことが気になったんだけど、結局は真相はよく分からなかった。

そんな中で唯一爽快だったのは3日目の紙面計画で、中曽根首相の靖国神社公式参拝の記事を1面に使う案が浮上した時のこと。中曽根ネタを1面に置く場合、同じ群馬出身の福田元首相とのバランスを取るのが非常に難しい。ここで悠木が秘策を繰り出す。それは遺体安置所となった中学校体育館で福田・中曽根の名入り花輪が写った写真を1面トップに使うことだった。日航墜落事故の記事を1面トップにしつつ、福田・中曽根のバランスをもきっちり取った見事な紙面だった。

その後はもうツライ話ばっかり。工学部出身の若手記者が掴んだ事故原因のスクープも最後の最後で決心できず掲載を見送ってしまったし、悠木の一喝がきっかけで事故死した記者の従姉妹が書いた遺族感情を逆なでするような投稿を掲載させるし。結局、悠木はこれがきっかけで草津へと転勤させられてしまう。

例の投稿記事で200件以上の苦情が来たことで社長の逆鱗に触れ、辞めるか山奥か選べと迫られる。辞める気マンマンだった悠木だが、同期の岸などの説得で草津行きを決断した。この時の佐山の言葉がイイ!

 「どこへ行ったって、俺たちの日航デスクは悠さんですから」

ギャー、もう号泣。佐山、あんた最高だ。

と、まぁ、こんな感じで紆余曲折の末、結局、北関東新聞はそれほど目を見張った成果も上げてないし、悠木は左遷させられるしで、全てが徒労に終わった感じだ。。。まぁいいか。それにしても今まで新聞なんてあまり深く考えずに読んでいたけど、見方がかなり変わったよ。毎日あんなバトルして作ってんのかな???北関だけかな???

横山 秀夫
価格
大事故の報道合戦に翻弄される新聞記者の濃密な日々を描く
 有名な本なので内容をご存じの方も多いと思いますが、簡単に紹介させていただきます。 主人公は、群馬県の地元紙につとめる40歳の中堅記者。かつて部下を死なせてしまった負い目を持ち、記者としての出世街道...
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佐藤浩市
発売日:2006-05-12
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NHKならではの…
時間的ボリュームがあるので、人物像がきちんと描かれていると思います。この作品の一番の売りは、キャストではないでしょうか。佐藤浩市をはじめ、一癖もふた癖もある俳優人が好演しています。
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テーマ : 読書感想文 - ジャンル : 小説・文学

プロフィール

Author:ザッキー
映画とか結構いろいろ見るんですが、とにかくものすごい勢いで忘れます。。。
日記は続いたことがないんだけど、とりあえず自分の健忘症のためにもガムバッてみようかと。。。
つーか、ガムバりすぎてネタバレしまくってます。すみません。。。

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